確率母関数の目的と定義について解説
確率母関数の目的・定義について解説【統計検定1級】
モーメント母関数の代表例である確率母関数の定義・目的・代表的な性質について解説しています.モーメント母関数の扱いは統計数理の学習で必須事項になります.
確率変数ごとの確率母関数については別のページで紹介しています.
尚、3分で概要だけ紹介した動画も作成しております.ご参考までに.
- 確率母関数の定義
このtは何でもよいです.これは定義です.確率母関数はあくまで、確率変数の期待値(平均)や分散を導出するための簡単ツールと認識しておけばよいです.
2次関数はax^2+bx+c=yだから、a,b,cの値が決まれば形がきまるよ、と同じ感じで、確率母関数の形を定義しているだけです.次以降の、利用の仕方が大事です.
- 確率母関数の目的(メリット)
上述したように、確率母関数はうまいこと計算すると確率変数の期待値と分散が計算できます.この方法が一番大事です.以下で解説します.
- ①確率母関数をn回微分して、最初に設定したt=1を代入するとE[X(X-1)・・(X-n+1)]を得ることが出来ます.
- E[X(X-1)・・(X-n+1)]これをn次階乗モーメントと言います.名前を憶えておきましょう.因みに、2次階乗モーメントを利用して分散を以下で導出していきます.
- 一回微分の時
- 指数のxが前に出てきていますね.
- この時t=1を代入してみてください.tが消えて、E[X]になりますね.
- つまり、これは、確率母関数さえ導出できれば、(確率母関数を一回微分して新たに設定した変数に1を代入すれば)、確率変数の期待値を導出出来ることを表しています.めちゃ便利な性質なのです.そういうわけで、確率母関数は重宝されるのです.
- 2回微分の時
- この時t=1を代入するとE[X(X-1)]が導出できます.これが求まると、分散を導出できています.
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